こんにちは。ドッグフード研究家の「saki」です。
前回は、世界で起こった最も悲惨で歴史的なリコール事件をご紹介しました。
「アメリカで起こった事件だし、日本といってもそこまで被害はなかったでしょ?」このように思われる方がいるかもしれません。
しかし、あなたも一度は聞いたことがある『あるドッグフード』がそのリコールの対象となっていたのです。
それが「ロイヤルカナン」です。
多分、愛犬家の方なら一度は聞いたことがあるドッグフードなのではないでしょうか?
私たちの住んでいる近所のホームセンターやペットショップなどに必ず置いてあるドッグフードです。それも高級なドッグフードとして・・・。
ロイヤルカナンの大量リコール事件とは!?
ロイヤルカナンの大量リコールも2007年に起こった事件の1つです。
ロイヤルカナンのリコールが始まる前は「小麦グルテン」という化学物質が原因で、普通のドッグフードが非常に毒性の強いドッグフードに一転し、販売されました。その後、世界規模で対象のドッグフードの回収が始まりました。
それと同じようにしてロイヤルカナンの中にも、小麦グルテンに似たような性質を持つライスプロテイン濃縮物(ライスグルテン)というものが含まれていました。
これは、中国の輸出会社が故意に添加して販売したことが事の発端です。
一番問題なのは自社製品を検査すらしないドッグフードメーカー
一番の問題なのは、中国から毒物の混ざった原料を輸入したアメリカの輸入会社、そしてアメリカやカナダの製造会社(ロイヤルカナン自社工場)、販売メーカーやブランドが「自社製品に使われる原材料の管理を全くしていなかった」ということが浮き彫りになったのです。
少なからず販売するまでの過程の中で、1社でもきちんとした検査をする企業があれば必ずやこの毒性に気づいていたでしょう。
なぜなら「大量リコールが起こったドッグフードで動物実験を行った結果、動物が病気や死亡する」という結果が出たからです。
これを事前に行っていれば必ず販売する前に食い止められることができました。
どの会社も検査することなく全世界的に販売した結果、約3万9,000匹の犬や猫が死亡したという悲惨な結果になりました。
しかし、多くのメディアでは病気や死亡したペットの実際の数は把握出来ておらず、数十万にものぼるかもしれないと言われているほどです・・・。
このドッグフードを食べたワンちゃんの健康被害は!?
この毒性の強い化学物質によってワンちゃんがどうなったかというと、食欲不振や無気力、気分の落ち込み、吐き気、下痢、突然の喉の渇き、頻尿など腎不全の兆候が出ました。
でも、この症状って私たちが普段愛犬を見ていて目にすることもある症状ですよね?つまり、このような症状が現われているワンちゃんは、もしかしたらドッグフードが原因かもしれないんです。
もちろん、死んでしまった場合には明らかにドッグフード原因だとわかります。ですが、そのような毒性が強い化学物質を混ぜられた量が少量であれば、愛犬が徐々に体が弱っていき、さまざまな病気を引き起こし、体がボロボロになって最終的には死んでしまいます。
それなのに、誰もドッグフードが原因だなんて思いもしません。
日本も例外ではありません。
このようなドッグフードは日本にも輸入されていました。もちろん、これを受けて2009年にやっと法律ができたんです。それまでは法律すらありませんでした。
しかし法律が出来たからといって安心は出来ません、この法律は業者に甘く、スルスルすり抜けることができる「ザル法」だと言われています。
この事件の発端はアメリカで起こりましたが、アメリカは日本よりもペットフード業界はかなり進んでいます。
でも実際に日本よりも2歩も3歩も前にいるアメリカでこのような悲惨な事件が起こってしまったのです。
日本のドッグフードがどこまで管理されているのかをきちんと考え、対策をしないと私たちの愛犬の寿命がどんどん短くなっているのかもしれませんよ。